2016年、第一回TURE-TECH参加。
「主役である学生がTURE-TECHを通して得られるものを、最大化する」という想いを胸に、2020年度のTURE-TECHにサポーターとして参加。
チームのマネジメント・サポートを担う。
2020年度TURE-TECH参加。
地方にルーツのない自分が、どこまで地方創生というテーマに対して情熱を持って取り組めるのかを試したいという想いからTURE-TECHに応募。
2020年度TURE-TECH参加。
以前から「自分が考えたしくみで、社会課題を解決したい」という想いを持つ。実際に地方創生という重要な課題に挑戦できるTURE-TECHのプログラムに魅力を感じ、参加。
- 豊島:
- 僕たちのチームが与えられたテーマは、「東松島市工業団地の誘致企業に対する雇用確保支援策」です。東松島市工業団地の進出企業にとって最も大きな壁になっている「安定的な雇用確保」。この課題に対して僕たちはまず、企業へのヒアリングを実施しました。
- 島田:
- 企業ヒアリングから特定できた課題を元に、提案をまとめて3日目の中間発表の場でプレゼンをしたら「君たちの提案は最悪だ」と本当に厳しい指摘を受けて…。「一番ひどい状態だ」とはっきりと言われました。僕たちとしては仕様書を読み解き、企業にヒアリングをしてしっかりまとめたつもりだったのでここまで厳しい指摘を受けるとは全く思っていませんでした。
- 永澤:
- TURE-TECHには仕様書と言われる、テーマの概要をまとめた資料があるのですが、僕たちのチームでは3日目の中間プレゼンで「仕様書の解釈」と、インタビュー内容の整理、そこから特定した課題を報告した。仕様書の内容を素直に解釈して、まとめた提案だったよね。
- 島田:
- そうです。僕たちのチームは仕様書をそのまま捉えて企業を主語にした提案をしました。中間プレゼンでのフィードバックでは、高校生や行政といった他のステークホルダーの視点が入っていない。しかも新卒雇用の状況は進出企業の業績に依存するという、これを課題だと言ってもどうしようもない上に、企業に非常に失礼な課題を僕たちは設定していて。課題特定の視点もズレているしプレゼンもひどすぎる、という全てがダメだという評価を受けました。
- 豊島:
- 「君たちは論理しかない」「人間としての感情が全くない」ということも、取組みを進めていく中で非常に強く指摘をいただきました。実際僕たちは、課題に対して最短のルートで論理的に課題解決をすることしか考えていなかった。だから、ヒアリング等においても関係者の本音やパーソナルな部分に全く触れることができていませんでした。大切なことは論理と情熱を両立させることだとようやく気が付いたんです。
- 島田:
- もちろん中間発表のFBを受けていきなり全てがうまくいくわけではありませんでした。行き詰まって、みんなで夜中まで議論を繰り返す中、「小学生の時に震災の被害にあった東松島の高校生のために、我々に何ができるか」、「今なんのためにTURE-TECHをやっているのか」振出しに戻って考えてみた方がいいんじゃない?と永澤さんにアドバイスをいただいたんです。この時が今思うと、転機だった気がしていて…。
この点、TURE-TECHの特徴は、期限の異常な短さだと思います(笑)。6日間っていうスケジュールで課題に取り組むので、自分たちが山場にぶち当たるのって、4日目の夜っていう…あと1日半しかないっていうタイミングなんですよね。そういうタイミングでうまくいっているものを壊すのか、壊さないのかという議論になった時に僕たちのチームは3人対1人に意見が分かれて、結構長い時間話し合ったんですが、誰もそこで譲らなかったんですね。この、短い時間の中で完成させることだけにフォーカスしたら、妥協した方が楽だし、良かったのかもしれません。でも、やっぱりTURE-TECHってみんな覚悟を持って来ているので、全員が妥協せずもう一回考えて、集まろうということになって。再度オンラインで集まって話し合ったんですね。妥協せず、自分たちが納得いくまで考えられたことでチームが一つになれたというのは良かったと思います。
- 永澤:
- TURE-TECHの仕様書って、一度読むだけだと目先の課題しか見えない。でも、地域のことを深く理解し、地域の人たちの立場に立って改めて仕様書を読むと、一度目に仕様書を呼んだ時とは全く違う大きな課題が見えてきます。僕たちのチームでいうと、最初は企業の課題としか捉えられなかったものが、高校生の声を聞き、地域を知ることで、この問題は東松島市全体の課題であるということが見えてきた。
最終プレゼンでは、課題解決の手段だけが評価されるわけではなく、目的や背景、なぜその手段を選択したかという想いが非常に重要です。想いというのは、その手段にたどり着くまでにどれだけ地元に人たちを深く知り、深く考えたか、ということに裏打ちされるもの。そういう意味で、たくさんの生きた情報を集めたからこそ、企業の課題という捉え方から、市の未来を担う高校生の課題=市の課題、と視点を転換することができたということは非常に重要なターニングポイントだったと思います。
- 豊島:
- 僕たち自身が日を重ねていくごとに当事者意識が強くなり、地元の方に共感する姿勢を強くもつようになった。その結果、高校生の本音の声を集めることができました。高校生の視点に立って深く考えたという背景があったので、想いのこもった非常に熱量のあるプレゼンをすることもできました。また、コストや実務面においても実現性が高かったという点も評価を受け、僕たちの提案を市に採択していただくことができました。
- 島田:
- 採択されて一ヵ月後に、市の方とミーティングをすることになりました。自分たちとしてはこれからどうしていくかということを色々考えてミーティングに臨んだのですが、その場で最初にいただいたのが「あとは私たちでやりますので」という言葉でした。コロナ禍で現地訪問ができないという状況を気遣って「これまでの資料やヒアリング内容等をいただけたら、あとは自治体側で進めていくので」と仰っていました。つまりこのミーティング一回きりで関係性が終わってしまうということでした。
- 豊島:
- ミーティング後「このままじゃ悔しいよね」とメンバーで話し合い、あらためて市の方と話す場を設定していただきました。そこで、「主体的にこのプロジェクトに関わっていきたい」という想いを率直に伝えた上で「自分たちは現場に行くことができないので、企画的・編集的な部分は僕たちが担当し、市の方には現場での実務を担っていただくというかたちで役割分担をするのはどうですか?」という提案をしました。
- 島田:
- そうしてやっと定期的にミーティングを実施、密にコミュニケーションをとりながら進めていくということが決まったんだよね。そこからは、何度も意見を交わしながら、市の方とチームになって企業紹介動画を作成。YouTubeで公開。QRコードつきのガイドブックを作成し、高校生に配布しました。