Soft Bank 革命体感インターンシップ ツレテク

「活用できるデータがない」という本質を提起した事が、価値。

STORY TELLER

吉田 圭佑 株式会社Agoop 技術本部 ソリューション開発部(出向)

第1回目のTURE-TECHに当時学生として参加。「インバウンド交流人口増加策」をテーマに、チームで行った提案が市長に採択され、塩尻市の施策としてアイデアが実現。その後、新卒でソフトバンク株式会社に入社。現在は、株式会社Agoopでモバイルアプリケーション開発・プロジェクトマネジメントを担当中。

STORY.01 TURE-TECHとの出会い。

後にも先にも、
最もハードで
有意義なインターンシップ。

TURE-TECHへの参加を決めた当時は、将来どんな道に進むかを迷っていた時期でした。自分が得意だと思っていることが、自分にとって本当に一番得意なことだとは限らないのではないか。自分が得意だと考えていることを仕事にすることは、本当にベストな選択なのだろうか。そんなことを考えながら、自分自身の可能性を最大限に広げるための手段として、色々なインターンシップに参加していました。

なんとなく、メガベンチャ―と言われる会社に興味を持ち始めていたころ、TURE-TECHの存在を知りました。ソフトバンクには正直なところあまり興味を持っていなかったのですが、TURE-TECHの現地を訪れて実課題に対して解決策を提案・実行するというコンセプトに興味を持ってエントリーしました。
たくさんの企業とコンタクトを取り、いくつものインタ―ンシップに参加しましたが、後にも先にもこのTURE-TECHが最もハードで有意義なインターンシップです。忘れることのできない経験になりました。

STORY.02 「インバウンド交流人口増加策」というテーマに挑む。

提案前日の深夜2時。
全てを白紙に戻し、
真の解決策を考え抜いた。

私のチームに与えられたテーマは、重要伝統的建造物群保存地区である、奈良井宿のインバウンド交流人口増加策を考えるというものでした。最も大きな課題は、この地区には今でも住民が住んでいること。住民の方たちの住環境を守り、景観を守ることが条件です。
1日目はオリエンテーション。2日目からは資料や事前に塩尻市から共有されているデータを見ながら歴史価値ある街並みをどうすれば有効活用できるのか、ということを議論しました。ここで私たちが出した案は、ARを活用したもの。観光客の人たちにQRコードを読み込んでもらうとARで昔の奈良井宿の風景を見てもらうことができるという企画でした。「これ、めちゃくちゃいいんじゃない?」とメンバーの中では盛り上がり、意気揚々と3日目からの現地調査に臨みました。


ところが、実際に住民の方、観光協会の方にヒアリングを行い、仮説の検証を行っていくと、自分たちが考えていたことが、如何に現場の事を理解できていなかったかという事に気付かされます。資料などで得る情報には、資料作成者の様々なバイアスがかかっているので、直接ヒアリングして得た情報とは違うということも多々ありました。どうやってアプリを読み込んでもらうのか、これで本当に観光客が増えるのか…。
観光協会の方たちからも、とても厳しい指摘をいただきました。悩んだ末、私たちは本質に立ち戻りました。

「活用できるデータがない」ということが本質的な課題なのではないか。今あるデータは、観光協会の方たちが観光客の数を数えてカウントをとっている、不確かなデータ。母数も少なく、これだけをもとにプロモーション等の企画を考えるのは無理なのではないかという結論に至りました。
インバウンド交流人口増加策に活かせるデータを収集し、利活用していく方法を考えるべきだと。市長への提案を翌日に控えた深夜2時。すべてを白紙に戻し、提案を練り直しました。そして導き出したのが、駅にPepperを置き、観光客の方たちにPepperでパンフレットを印刷してもらうという提案でした。それは、パンフレットを印刷してもらう際、アンケートに答えてもらうことで外国人観光客のデータを集め、そのデータを活用して、プロモーション等の打ち手をうっていくというものでした。

STORY.03 人生に大きな影響を与えた7日間。

市のプロジェクトをゼロから考えるという経験。

この提案をかたちにするにあたって、観光客の行動プロセス、心理などについては、カスタマージャーニーをしながら、細かく設計を行いました。観光客の多くが駅を通る。駅に降り立った時にパンフレットが置いてあれば、まずパンフレットをとるはずだと考えました。また、私たちが、アジアの建物を見た時とヨーロッパの建物を見た時、全く違う印象を持つのと同じように、奈良井宿の建物を見た時の感じ方も国籍によって違うのではないかと考えました。
そこで、パンフレットは、単純に日本人観光客向けに配布されているものを、各国の言語に訳したものではなく、外国人留学生を連れてきて、実際に奈良井宿を観光してもらい、彼らが感じたことをパンフレットに活かし、国ごとに全く違うパンフレットを作ることになりました。スケジュール、コスト等についても細かく試算し、市長への提案に挑みました。

「活用できるデータがない」という事実を、自治体の方々や市長に突き付けた私たちの提案は、採択されました。あれから3年。私たちの提案を、当時のメンターでもあったAgoopの加藤さんがPepperへの実装を実現してくださり、昨年データ収集期間が終わりました。これから、データを活かした様々な取組みを観光協会の方々が実行していくフェイズに入ります。
私たちに当時課された目標はH35年までにインバウンド交流人口を7.8万人にすることでしたが、観光客の人数を大幅に増やすことで本当に住民の方たちの生活は守られるのか。人数を増やすのではなく、お金を落としてもらう策を考えるべきなのではないか。今、そんな心配をしています。
奈良井宿のことも、奈良井宿の人たちのことも大好きになってしまったから、かかわる全ての人にとって良いかたちで結果が出る施策につながる取り組みになる事を心から願っています。


TURE-TECHに参加したから、苦しい場面もあの時に比べたらたいしたことじゃないと、思えるようになりました。加藤さんと出会い、今の仕事に出会うことができました。そして、奈良井宿という第二の故郷に出会うこともできました。間違いなくTURE-TECHは、僕の人生に大きな影響を与えたインターンシップです。

・「Pepper」の名称、ロゴはソフトバンクロボティクスの登録商標です」
・「ソフトバンクロボティクスの人形ロボットPepperを活用し当社が同時に実施しています」

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